「売れない家具」と「売らない家具」は違う。リユースショップが考える本当の価値

Written by チャンエリ|オトワリバース公式ブログ
リユースショップに並ぶ家具には、必ず値札がついています。
5,000円の椅子。
30,000円のソファ。
100,000円を超えるキャビネット。
お客様からすれば、その数字が家具の価値を判断するひとつの基準になります。
でも、日々さまざまな家具と向き合っていると、ふと思うことがあります。
「家具の価値って、本当に値段だけで決まるのだろうか?」
有名ブランドでも、なかなか売れない家具があります。
反対に、メーカーが分からなくても、
思わず足を止めてしまうほど魅力的な家具もあります。
そして、まだ使える家具であっても、
販売することが適切とは限りません。
家具を扱う仕事には、単に商品を仕入れて販売するだけではない、
さまざまな判断があります。
今回は、普段あまり表に出ることのない、
リユースショップが考える家具の価値と、販売する側の責任
についてお話ししたいと思います。
1. 「売れる家具」が必ずしも「良い家具」とは限らない

1-1 人気があることと、価値があることは別の話
リユースショップにとって、商品が売れることはもちろん大切です。
お店を続けていくためには、売上も必要です。
でも、売れる家具がすべて優れていて、
売れない家具には価値がないのでしょうか。
私は、そうは思いません。
例えば、流行しているデザインのソファ。
人気のカラーやブランドであれば、
比較的早く売れることがあります。
一方で、丁寧につくられた木製家具でも、
サイズやデザインが今の住宅事情に合わず、
なかなか次の持ち主が見つからないことがあります。
だからといって、その家具の品質が低いわけではありません。
家具が売れるかどうかには、
品質以外にもさまざまな要素が関係しています。
デザインの流行。
住宅の広さ。
生活スタイル。
価格帯。
そして、店頭での見せ方。
売れやすさは市場の評価であって、
家具そのものの価値のすべてではありません。
この違いを理解することは、
リユース家具を扱ううえで大切だと思っています。
1-2 値段がつきにくい家具にも魅力はある
家具の価格は、素材やブランド、状態だけで決まるものではありません。
需要と供給のバランスも大きく影響します。
例えば、大きな婚礼家具。
かつては高価で、長く使うことを前提につくられたものもあります。
しかし、住宅事情やライフスタイルが変化した現在では、
サイズや重量が理由で次の使い手を見つけにくい場合があります。
購入当時は高価だった家具でも、
現在の中古市場では価格がつきにくいことがあるのです。
それは、家具としての品質が突然失われたからではありません。
時代が変われば、求められる家具も変わる。
この現実は、リユースの仕事をしていると強く感じる部分です。
だからこそ、値段がつかないことと、
価値がないことを同じ意味で考えたくないのです。
2. リユースショップには「売らない」という判断もある

2-1 まだ使えることと、販売できることは違う
「まだ使えるのにもったいない」
家具を手放すとき、そう感じる方は多いと思います。
私も、できることなら使える家具を次の人へつなげたいと考えています。
でも、リユースショップとして販売する場合には、
別の視点も必要になります。
それは、次に使う人が安心して使用できるかどうか。
例えば、見た目には問題がなくても、構造に不安がある椅子。
長年の使用で接合部分が傷んでいるテーブル。
内部の状態が十分に確認できない家具。
こうしたものは、単に「まだ使える」という理由だけで
販売を判断できません。
個人が自分の責任で使い続けることと、
お店が商品として次の人へ販売することには違いがあります。
お店で販売する以上、
商品の状態について説明する責任があります。
リユースとは、何でも再販売することではありません。
次の使い手へつなげるために、
販売しないという判断が必要になることもあるのです。
2-2 売ることより大切にしなければならないこと
家具を販売する仕事をしていると、
売上や販売点数といった数字に向き合う場面が多くあります。
でも、数字だけを優先してしまうと、
見落としてしまうものがあります。
例えば、商品の状態を十分に伝えずに販売してしまったら。
購入したお客様は、
あとから不安や不満を感じるかもしれません。
リユース家具は新品とは違い、
一点一点の状態が異なります。
だからこそ、良いところだけでなく、
気になる部分も伝えることが大切です。
キズがあるなら、そのキズについて。
使用感があるなら、その状態について。
修理や補修の履歴が分かるなら、その内容について。
分からないことは、分からないと伝える。
家具の魅力を伝えることと、
状態を正しく伝えることは、どちらも欠かせません。
目の前の一台を売ることだけでなく、
その先の信頼まで考える。
それも、リユースショップの大切な仕事だと思っています。
3. 同じ家具でも「見せ方」で価値の伝わり方が変わる

3-1 家具は置かれる環境によって印象が変わる
例えば、一脚の古い木製チェア。
倉庫の片隅に置かれていたら、
ただの古い椅子に見えるかもしれません。
でも、木製テーブルや照明、
グリーンと組み合わせて置かれていたらどうでしょう。
「この椅子、素敵だな」
「こんな空間に置いてみたい」
そんなふうに感じることがあるかもしれません。
家具そのものは何も変わっていません。
変わったのは、見せ方です。
これは、私が家具を扱ううえで大切にしていることのひとつです。
リユース家具には、すでに存在している価値があります。
でも、その価値が十分に伝わっているとは限りません。
価値を新しくつくるだけでなく、
もともとある価値を見つけて伝えること。
それも、リユースショップにできる仕事だと思っています。
3-2 「安い」以外の理由で選ばれる家具にしたい
リユースショップでは、
価格が大きな魅力になることがあります。
もちろん、お得に家具を購入できることは素晴らしいことです。
でも、私はそれだけで終わらせたくありません。
例えば、あるソファを見たお客様が、
「新品で買うより安いから」
という理由だけで選ぶのではなく、
「この革の風合いが好き」
「このデザインをずっと探していた」
「自分の部屋に置いたら素敵だと思う」
そんな理由で選んでくださったら。
それは、単なる価格の比較を超えた買い物になると思います。
価格は購入を決める大切な要素です。
でも、
その家具を使いたいと思える理由は、
価格以外にもあるはずです。
その理由を見つけてもらえるように、
家具の魅力を伝えていきたいと思っています。
4. 家具の価値は、持ち主が変わることで変化する

4-1 ある人には不要でも、別の人には必要な家具
リユースの面白さは、
家具の価値が人によって違うことです。
例えば、引っ越しを機に手放されるダイニングテーブル。
元の持ち主にとっては、
新しい住まいに合わなくなった家具かもしれません。
でも、これから新生活を始める人にとっては、
探していたサイズのテーブルかもしれません。
ある人には大きすぎた家具が、
別の人にはちょうどいい。
ある人には古く感じるデザインが、
別の人には新鮮に映る。
家具の価値は、使う人の暮らしによって変わります。
だからこそ、リユースは面白い。
手放す人と、これから使う人。
その間にある価値の違いをつなぐことが、
リユースショップの役割のひとつだと考えています。
4-2 家具を次の人へつなぐために必要なこと
家具を再び使ってもらうためには、
ただ店頭に並べるだけでは十分でない場合があります。
家具の特徴を伝えること。
どんな空間に合うのかを提案すること。
状態について正しく説明すること。
そして、その家具を必要としている人に見つけてもらうこと。
こうした積み重ねによって、
次の持ち主との出会いが生まれます。
例えば、ブランド名が分からない家具でも、
素材やデザイン、使い方を丁寧に紹介することで、
魅力が伝わるかもしれません。
反対に、有名ブランドの家具でも、
情報が不足していれば、
その良さが十分に伝わらないことがあります。
家具の価値を理解してもらうには、情報も必要なのです。
良い家具を見つけることと、その良さを伝えること。
この両方があって、
初めて次の暮らしへつながっていくのだと思います。
5. オトワリバースが目指す、これからのリユースショップ

5-1 「中古品を売る場所」だけで終わりたくない
リユースショップと聞くと、
どんなイメージがありますか?
安く買える場所。
不要なものを売る場所。
掘り出し物を探す場所。
もちろん、どれもリユースショップの魅力です。
でも、オトワリバースは、
それだけではないお店でありたいと考えています。
家具のデザインを楽しめる場所。
素材やつくりの魅力を知る場所。
新しい家具とリユース家具を組み合わせた空間を想像できる場所。
そして、これまで知らなかった家具の価値に出会える場所。
家具を買う予定がなくても、
店内を見ているだけで楽しい。
そんなお店を目指していきたいと思っています。
「リサイクルショップって、こんなに面白いんだ」
そう感じてもらえることが、
私たちにとって大きな喜びです。
5-2 安くするより、理由をつくる
私がリユースの仕事を通して大切にしている言葉があります。
「安くするより、理由をつくる。価値は、編集できる。」
家具が売れないとき、
価格を下げることが必要になる場合もあります。
でも、値下げだけが答えとは限りません。
商品の魅力が十分に伝わっていないのかもしれない。
写真や説明を変えたら、
違う印象になるかもしれない。
置く場所や組み合わせを変えたら、
その家具の良さに気づいてもらえるかもしれない。
もちろん、工夫すれば必ず売れるというわけではありません。
それでも、価格を下げる前に考えられることはあるはずです。
その家具が持っている魅力を、
どうすれば次の人へ伝えられるのか。
私は、そこにリユースショップの仕事の面白さがあると思っています。
家具の価値は、値札の数字だけでは表せません。
素材、デザイン、つくり、使い方、
そして次の持ち主との相性。
さまざまな要素が重なって、
その家具を選ぶ理由になります。
オトワリバースは、これからも家具の価値を見つけ、
伝え、次の暮らしへつなげていきたいと思っています。
まとめ|家具の価値は、値札だけでは決まらない
売れる家具と、売れない家具。
高い家具と、安い家具。
新しい家具と、古い家具。
私たちは、つい分かりやすい基準で家具を判断してしまいます。
でも、家具の価値はそれほど単純ではありません。
市場で人気があること。
素材やつくりが優れていること。
使う人の暮らしに合っていること。
それぞれ違う価値があります。
そして、まだ使える家具であっても、
次の人へ販売するためには、
安全性や状態について考えなければなりません。
リユースとは、何でも売ることではなく、
価値を見極めて次へつなぐこと。
私は、そう考えています。
オトワリバースが目指しているのは、
単に中古家具を安く販売するお店ではありません。
家具の魅力を伝え、
お客様が「この家具を使いたい」と思える理由に出会える場所。
そんなリユースショップでありたいと思っています。
宇都宮で家具を探している方は、
ぜひオトワリバースへ遊びにいらしてください。
値札だけでは分からない家具の魅力を、
一緒に見つけていただけたら嬉しいです。
この記事を書いた人
店頭でお客様と家具選びのご相談中の様子
チャンエリ|リユースブランディングディレクター
オトワリバースで、家具・インテリアの販売や空間づくり、
リユース家具を取り入れた暮らしのご提案をしています。
私が家具をご提案するときに大切にしているのは、
「安いか、高いか」だけで家具を決めないこと。
お客様がどんなお部屋で、
どんな時間を過ごしたいのか。
その家具を置いた先の暮らしまで想像しながら、
一緒に考えることを大切にしています。
安くするより、理由をつくる。価値は、編集できる。
リユースだからこそ出会える家具の魅力を、
これからもオトワリバースからお伝えしていきます。
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